脳梗塞とは、脳の血管が何らかの原因で詰まり、虚血状態となることで酸素や栄養分が不足し、脳障害や壊死が起こる病気です。犬も人と同様に脳梗塞に陥る場合があり、今のところ原因は明らかになっていません。
脳梗塞が小脳で起こることを小脳梗塞と言いい、小脳は運動機能を調節する中枢であるため、障害されることで歩行や姿勢、頭部、眼球、四肢などの動きに異常が出ます。
診断には脳の器質性変化をみるためMRI検査が必要となります。梗塞病変は急性期(梗塞が起こって4時間以内)では特殊なMRI画像でしか病変を見分けられないため検出は困難となるが、それ以上時間経過した病変ならばT2W(T2強調画像)とFLAR(水抑制画像)で高信号、T1W(T1強調画像)で低信号として描出することができます。
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T2W画像とFLAIR(水抑制画像)にて高信号を示しており、矢状断像、冠状断像により小脳の右側後部にあることがわかります。