MRI検査に関するコラム

(15)脳幹部腫瘍におけるMRI検査

脳幹部(中脳・橋・延髄)には多くの脳神経が存在しており、障害が起こる部位によってさまざまな症状がみられます。主な症状は、顔面感覚の低下、片側の筋肉の萎縮、片側(もしくは両側)の神経麻痺、斜視、意識障害などがあげられます。

脳幹は生命中枢ともよばれ、呼吸や心臓の血管の動きなどを調節する大事な役割も担っている部分になるので、障害が重度になると死に至る場合もあります。

<<症例 MIX犬、12歳、避妊メス>>

主訴は右側の顔面神経麻痺、右側の額がへこんでいる(側頭筋萎縮)

MRI画像では脳幹部(橋~延髄)に、T2W(T2強調画像)とFLAIR(水抑制画像)で高信号、T1W(T1強調画像)で低信号、ガドリニウム増強T1W(CET1強調画像)で高信号を示す腫瘤が認められました。この腫瘤が三叉神経と顔面神経を圧迫し、障害が起きていると考えられます。

<ガドリニウム造影後T1強調画像>

※赤矢頭は腫瘍、赤丸は側頭筋萎縮