MRI検査に関するコラム

(14)環椎-軸椎不安定症(AAI)におけるMRI検査

環椎-軸椎不安定症(AAI)とは第一頚椎(環椎)と第二頚椎(軸椎)が不安定な状態になり、頚部脊髄が圧迫されることによって頚部痛やふらつき、四肢の麻痺症状などを生じる疾患です。

チワワ、ポメラニアン、ヨーキー、マルチーズ、T・プードルなど小型犬種で発症が多く見られます。

歯突起の形成不全、椎体の脱臼・亜脱臼といった骨関節異常はCT検査が有用ですが、実際に生じている脊髄のダメージはMRI検査によって知ることができます。

<<正常>> MRI画像(T2W=T2強調画像)

<<環椎-軸椎不安定症>> MRI画像(T2W=T2強調画像)

前肢不全麻痺のT・プードル1歳♀

頚部脊髄の背側への圧迫、脊髄実質にT2高信号領域が見られ、脊髄の炎症が示唆されます。

CT画像では、歯突起の形成不全はなく、環椎-軸椎の亜脱臼を認めます。