MRI検査に関するコラム

(11)小脳腫瘍におけるMRI検査

小脳は骨格筋運動の協調性を制御しているため、小脳障害が起こると、小脳性運動失調がみられます。おもな症状は、開脚、よっぱいらい歩行、眼振、視覚異常、後弓反張などです。

小脳腫瘍は、血液検査、X線検査、超音波検査で診断をつけることが困難なため、CT検査やMRI検査が必要となります。

<<症例>>

MIX犬、6歳、避妊メス

主訴:斜頚、眼振、まっすぐ歩けないです

MRI画像では、T2W(T2強調画像)とFLAIR(水抑制画像)で高信号、T1W(T1強調画像)で低信号、ガドリニウム増強T1W(CET1造影画像)で高信号を示す腫瘤が認められます。腫瘤によって脳が圧迫され、くも膜下槽内に脳脊髄液が貯まっています。dual tail signが確認されるため小脳の髄膜腫が疑われます。

MRI画像(T2W=T2強調画像)

MRI画像(FLAIR=水抑制画像)

MRI画像(T2W=T2強調画像、矢状断像) 

MRI画像(T2W=T2強調画像、冠状断像)