MRI検査に関するコラム

(8)肉芽腫性髄膜脳脊髄炎(GME)におけるMRI検査

肉芽腫性髄膜脳脊髄炎(GME)は、自己免疫の異常から生じる脳炎で、髄膜炎や脊髄炎も伴うことが多い疾患です。この病気では大脳、小脳、脳幹や脊髄、視神経などあらゆる所に肉芽腫ができ、その発生部位によって発作や運動失調、眼振や斜頸、意識レベルの低下、失明などの色々な症状が認められます。

小型犬に発症することが多く、チワワ、パピヨン、トイプードル、ミニチュアダックスフンド、ウェルシュコーギーなどが好発犬種とも言われています。

診断はMRI検査や脳脊髄液検査を行います。治療はステロイド薬や免疫抑制剤、抗てんかん薬などが主体となります。

<<症例1>>

トイプードル、8歳、オス

主訴:数日前から斜頸、眼振、発作、ふらつき倒れて歩けない

T2W(T2強調画像)-横断像- 大脳、中脳の高信号病変が認められます

T2W(T2強調画像)-横断像- 脳幹部にまだらな高信号病変が認められます

T2W(T2強調画像)-冠状断像- 脳幹部に高信号病変が認められます

T2W(T2強調画像)-矢状断像-  脳幹、小脳に高信号領域が認められます

本症例は免疫抑制剤、ステロイド剤、抗てんかん薬で症状が緩和し、一般生活に支障がないレベルを維持しています。