MRI検査に関するコラム

(3)頚椎椎間板ヘルニアにおけるMRI検査

頚部の椎間板ヘルニアは、頚部の激しい痛みや、四肢の麻痺、抱っこした時に悲鳴をあげる、触ると嫌がる、背中を丸めたまま動けなくなるなど、痛みに対して様々な症状を示します。

<症例>

フレンチブルドッグ 6歳 メス

2日前からどこかを痛がりキャンキャン鳴き、震えるという主訴で来院しました。 歩行には問題なく、血液検査、レントゲン検査も問題なかったのでMRI検査を実施したところ、頸椎の椎間板ヘルニアが認められました。

第3-4頸椎間の椎間板物質(髄核)が背側に突出し、脊柱管内の脊髄を圧迫しています

T2W(T2強調画像) -矢状断像-

T2W(T2強調画像) -横断像-

正常な脊髄 T2W(T2強調画像) -横断像-

治療は、運動制限と投薬を主体にした保存療法と、手術で脊髄の圧迫を取り除く外科療法があります。圧迫の程度や臨床症状の度合で選択する治療法や予後も変わってくるため、その都度飼い主様と相談しながら治療を進めていきます。