沖縄県内初のマルチヘリカルCT導入

(37)犬の肝葉捻転におけるCT検査の活用

犬の肝臓は7枚の葉っぱが繋がって野球グローブのような形をしています。この葉っぱ一枚一枚を肝葉と呼び、これらが捻じれててしまうことを肝葉捻転といいます。

肝葉捻転の原因は先天性や後天性など様々ありますが、まだ分かっていないことも多いです。

肝葉が捻じれてしまうと中の血管も一緒に捻じれてしまい血行不良となり、捻じれた先で血液が貯留したままとなって肝臓が腫れたり、新鮮な血液をもらえずに壊死ししたりします。

治療は捻じれた肝葉を外科切除することです。

今回の症例は元気がなく、ぐったりするということで来院され、各種検査を行ったところお腹の中に巨大なしこりがあることが分かりました。CT検査の結果、肝臓の内側左葉が捻転していることが分かりました。

血液検査で貧血を示していたので、輸血を行ってから外科手術となりました。手術では内側左葉が反時計方向に180度捻転しており、うっ血した内側左葉はφ13センチにも腫れ上がっていました。

病理検査を行ったところ腫瘍性変化はなく捻転によりうっ血・壊死した肝臓であることが分かりました。

術後は順調な回復を見せています。