沖縄県内初のマルチヘリカルCT導入

(30)肛門嚢アポクリン腺癌におけるCT検査の活用

高齢のわんちゃんで肛門のあたりが腫れている、あるいは最近異常に水を飲むようになった、という場合に肛門嚢のアポクリン腺癌が疑われることがあります。

この病気は高カルシウム血症を引き起こし、多飲多尿やふらつきなどの神経症状が見られたり、ほとんどの症例でリンパ節転移を起こすため診断、治療には注意が必要です。

治療は、肛門嚢腫瘤の外科切除(±リンパ節切除)、放射線治療、抗がん剤治療、高カルシウム血症や便秘など二次的に生じる問題に対しての治療がメインとなります。

最近の3症例を紹介します。全症例で肛門嚢の腫瘤とリンパ節転移が認められました。

<症例①>

内服薬による抗がん剤治療、高カルシウム血症に対する治療を行っています

<症例②>

ゾメタ点滴を中心とした高カルシウム血症に対する治療を行っています

<症例③>

肛門嚢の腫瘤を摘出した後、内服薬による抗がん剤治療を行っています

<手術写真>

病理組織写真

リンパ節転移の有無、肛門嚢腫瘤の大きさや自壊の有無、抗がん剤の副作用の有無などに応じて治療を選択していかなければなりません。