週刊かふう連載コラム

(9)ペットの年齢

動物病院では飼い主さんによくこんな質問をされます。「私のペットは人間でいうと何歳ですか?」

この質問に対して、ペットが人間でいう何歳かをお伝えします。

例えば犬が生まれて10年だとしたら人間でいえば56歳、ハムスターが生まれて1年なら人間でいうと40歳にあたります。

ほとんどの飼い主さんは「もうこんな高齢なんだ」と驚かれます。

それもそのはず。小さい頃から育ててきたペットがいつのまにか自分の年齢を追い越してしまっているのですから。

一般的に人間より寿命が短いペットたちは、人間よりも早く歳をとるといわれています。

例えば犬・猫は人間の約4倍早く歳をとるので、人間の1年は犬・猫の4年に相当します。

また、ウサギやフェレットは人間の10倍早く歳をとります。

以前、腎不全になった猫の飼い主さんからこんな質問をされました。「この子はあとどのくらい生きられますか?」。

私は病態から予想してあと3カ月くらいとお伝えしました。

飼い主さんは僅か3カ月の命に落胆して治療を拒否しました。

私はその後、飼い主さんに「人間でいう3カ月はネコちゃんの1年に相当しますよ、僅かな命ではありませんよ」と説明しました。

すると飼い主さんは考え直してくれて、腎不全の治療に協力してくれました。

ぺットの寿命は短いように思われますが、それぞれ濃縮した時間を過ごしているので動物たちは短いと感じていないかもしれません。

<20歳になる猫、人間でいえば96歳です>

「かふう」2013年12月6日掲載

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