内視鏡コラム

(7)異物摘出(外科手術編②)

今まで内視鏡を用いた異物摘出を紹介してきましたが、今回はやむなく外科手術をすることになった症例を紹介します。

症例は六歳のチワワです。若齢のわんちゃんだけでなく中高齢のわんちゃんも異物摂取をすることもあるので注意してください。

症状は食事の後に嘔吐をして元気なくぐったりしているとのことでした。

レントゲン検査では明らかな異物は写っていませんでした。

超音波検査では十二指腸に液体が貯まっていたので異物摂取が強く疑われました。

そして次の内視鏡検査では異物を確認できるものの腸管内にすっぽりはまり摘出することができませんでした。

内視鏡検査の麻酔を維持したまま、摘出手術を行いました。

手術で分かったことは、腸管内の異物がコルク栓のようにはまり、それを内視鏡鉗子でひっぱても腸管ごと移動していたことが分かりました。

腸を切開して異物を摘出しました。

摘出した異物の正体は「耳栓」でした。外科手術に移行して正解でした。