内視鏡コラム

(3)内視鏡による十二指腸内異物摘出

今回は猫ちゃんの十二指腸につまった異物の症例を紹介します。

前回の胃内異物のコラムに書いたように、胃内異物はわりと元気なことが多いですが、十二指腸をはじめとする腸内異物はぐったりすることが多く、様子をみていると命を落とすことがあります。その理由として、胃は太くて異物を保持することができますが、腸は細くて異物が詰まってしまいショック状態になることがあるからです。

今回は猫ちゃんが吐いてぐったりしているとの主訴で来院しました。

レントゲン検査をしても異物らしきものは写っていませんでした。

血液検査や超音波検査でも原因をつきとめることはできませんでした。

次に飼い主さんからの「異物を食べる癖がある」という情報をもとに内視鏡検査をしました。

まずは食道を見ていきます、明らかな食道炎をおこしていました。

次に胃の中を観察します。特に異常はみられませんでした。

最後に十二指腸です。ものすごい炎症が確認されました。

更に十二指腸をすすめていくと、ついに異物をみつけました。

異物に目と口がついています??

いつものように鉗子で取り出しました。

出てきたものは「魚のおもちゃ」でした。

間一髪のところでこの子は助かりました。