当院では女の子のウサギの避妊手術を強くすすめています。
なぜなら避妊手術を受けていないウサギはどうしても子宮疾患が多いからです。
子宮疾患とは子宮内膜症、子宮蓄膿症、子宮水腫、子宮腺癌などがあります。それに伴う卵巣疾患、乳腺疾患も多くみられます。
飼い主さんの中には避妊手術を希望しているが、手術することで元気なウサギさんが弱ったり、亡くなったりすることを恐れている場合もあります。
確かに、ウサギはストレスや手術に弱いといわれてきました。しかし、術前検査、鎮痛剤、麻酔方法、手術方法、術後管理が改善され犬や猫と同じように手術ができるようになってきました。
今回は、避妊手術を迷っている間にどんどんお腹が張ってきて大変なことになってしまった症例を紹介します。
術前検査の結果は子宮に液体がパンパンに貯まっていることが分かりました。血液検査に異常が見られなかったので、緊急手術となりました。
手術ではお腹の約8割を子宮が占領していました。
手術直後のウサギは、巨大な子宮を取ったため体重が1kgも減ってしまいました。ガリガリのお腹を見て飼い主さんはショックを受けていました。しかし、この子はすぐにご飯を食べて順調に回復してくれました。
今回は「子宮水腫」という良性の子宮疾患でしたが、これが別の子宮疾患だったら経過は悪かったと思われます。やはり早期の避妊手術は大事ですね。