猫ちゃんに多い病気の中で、おしっこに関係した病気があります。尿路の炎症、尿路結石、尿路にできるシコリなどがそれにあたります。
※尿路=腎臓、尿管、膀胱、尿道
症状は、何度もトイレに入ったり、血尿や排尿痛がみられることがあります。その中で、一番怖い症状は、おしっこが全く出なくなることです。いわゆる尿道閉塞の状態になり、尿から出るべき尿毒素が全身に蓄積し、食欲がなくなり嘔吐をすることがあります。この状態が長く続くと、猫ちゃんは生きていくことができません。
治療は早急に尿道閉塞を解除して、おしっこを出してあげなければなりません。また、急性腎不全を伴う場合はその治療も同時に行います。急性症状の治療が済んだら、尿道閉塞の原因を解明して、その子に合ったお薬やキャットフードを与える必要があります。
当院に来院した マンチカン 6ヶ月 ♂ の症例を紹介します。
数ヶ月前から血尿と頻尿を繰り返していたそうです。
当院には尿が出なくなり、嘔吐をしているという理由で来院しました。
診断結果は、膀胱結石と尿道結石による尿道閉塞と急性腎不全でした。慢性的で重度の膀胱炎と尿道炎がある為、内科治療だけでは完治が困難と判断し、外科手術により膀胱結石摘出と会陰尿路造瘻術を行いました。
※会陰尿路造瘻術=雄猫の尿道を形成し排尿しやすくする手術
手術後の様子です。赤矢印の部位からおしっこが出ます。尿道の位置が変わっても生活に支障はありません。
現在は、慢性的な膀胱炎から開放され、元の性格の良いマンチカンに戻ったようです。
みなさんも愛猫のおしっこをチェックして、病気の早期発見を心がけましょう!