胆嚢(たんのう)とは、肝臓に包まれて存在する袋状の臓器です。肝臓で作られた胆汁という消化液を一時的に貯めておき、食後に小腸での消化が必要な時に胆汁を送り出す役割をしています。
今回は胆嚢が病気によって破裂してしまい、胆嚢摘出手術を行った2症例を紹介します。
<症例①>
10歳避妊メスT・プードル
食欲不振と嘔吐、下痢で来院しました。血液検査では黄疸が出ており、超音波検査での胆嚢を拡大を認め、胆嚢周囲に液体貯留を認める。胆嚢破裂による腹膜炎を疑い試験開腹を行いました。
<超音波検査>
<手術所見>
<摘出した胆嚢>
<病理検査>
胆嚢粘液嚢腫
手術は無事に成功し、今では元通り、元気に暮らしています。
<症例②>
7歳避妊メス日本猫
間欠的に繰り返す慢性の嘔吐で来院しました。超音波検査で胆嚢周囲に液体貯留を認めた為、胆嚢破裂を腹膜炎を疑い試験開腹を行いました。
<超音波検査>
<手術所見>
破裂した胆嚢は肝臓の方形葉に癒着していました
<摘出した胆嚢と方形葉>
<病理検査>
肝吸虫が肝臓内に寄生し、それによる重度の胆嚢炎と胆管炎、更に、胆嚢破裂を起こしていることが分かりました
手術は無事に成功し、今では元通り、元気に暮らしています。