コラム

(17)縫合糸をお腹の中に残さない手術

今回は手術に時に縫合糸をお腹の中に残さない方法としてサージレックスエンシールシステムを紹介します。

人間の医療では縫合糸を体内に残さない手術は何年も前から行われきました。

動物医療でも数年前から縫合糸を残さない手術が盛んに行われるようになってきました。それは、「縫合糸反応性肉芽腫」という病気が報告されるようになったからです。

「縫合糸反応性肉芽腫」とは手術の際に使用する糸が体内で異物として認識されて、組織反応が過剰に起きてしまい皮膚障害や組織障害を起こすことです。

当院でもサージレックスエンシールシステムを使用することで縫合糸を体内に残さない手術が可能となりました。

実際の手術の様子です。

まずは従来の縫合糸を用いる方法です。糸で縛りあげるので、疼痛が伴い、時間もかかります。

次にサージレックスエンシールシステムを用いた方法です。

糸で縛る時間が省かれるため、手術時間は従来の半分以下に短縮され疼痛も最小限です。

今後、不妊手術を予定している飼い主さんはこの機械を用いた手術を検討してみませんか。